東京農業アカデミー 八王子研修農場

卒業生インタビュー

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第3期生
(2022年度)

中村 しのぶさん

就農地:八王子市

栽培作物

パッションフルーツ、ニンジン、ピーマン、インゲン、ジャガイモ、ノラボウ菜

アカデミーに行って良かったと感じることはなんですか?

栽培技術の基本を学べたことが一番大きいです。農業機械なども一流のものを使わせていただいていたので、そういったことも実になっていると感じています。
講義も充実していて、消費者がどういう目線で買い物をするのか、自分の生産物をどう差別化していくのか、といったマーケティングや、ポップを描く授業などすべて役に立っています。出荷調整できれいな荷造りをすることが売り上げにつながると実感しています。

同期メンバーやアカデミーにいた事で出会えた農業関係者とその後も情報共有するなど、ご自身の人脈につながっていますか?

就農して一番大切だと感じるのが人脈です。農家は人とのつながりがないとやっていけません。八王子市で就農して、東京農業アカデミーにも近いので「また来たの?」って笑われるくらいよく顔を出しています。失敗したかなと思ったり、病気のことでわからないことがあったり、何か困ったらすぐに連絡しています。
同期とはグループチャットでいいことも悪いことも報告しています。特に同じ作物を育てている人同士は、情報共有し合います。
先輩ともよく交流しています。2期生の先輩には、就農1年目はどうだったかというのを聞くほか、役所での手続きや補助金の相談などにも乗ってもらいました。畑にも来てくれて、活を入れてもらったり、いろいろ教えてもらったりしています。
人とのつながりという意味でも、アカデミーに行ってよかったと身にしみて感じています。あの2年間がなかったら、私はたぶん就農できていなかったと思います。

農地やハウスなどの施設はどのように確保されましたか?

同期の中で農地が決まるのが一番遅かったので、焦りもありました。でも、こればかりはご縁だし、焦ってはいけないと自分に言い聞かせていました。
農家派遣研修で一気に人脈が広がって、今のほ場を借りることができました。
地域行事や、付近の田んぼの溝掃除などにも積極的に参加しました。人とのつながりができたおかげで「使っていない畑を使って」と、あちこちから声をかけていただけるようにもなり、一部はお断りせざるを得なくなったほどです。今の畑のほかに、もう一か所3反の畑を借りることが決まっています。

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1日の作業スケジュールを教えてください。

最近のスケジュールですと、朝6時から出荷調整作業を行い、8時に卸先のスーパーと道の駅に搬入します。9時半ごろからパッションフルーツの受粉作業、枝の誘引などの管理を18時ごろまでしています。
東京農業アカデミーにいたころから、道の駅でアルバイトをしていて、今も週末だけ続けています。二足のわらじを履くのはよくないと言われるのですが、恩返しの意味もあるし、人脈作りや勉強のためにできる限りは続けるつもりです。

アカデミー卒の新規就農者として営農を開始したところですが、現在の状況(良いこと・課題など)を教えてください。

今のところは順調です。ただ、アカデミーにいたころにしっかり計画を立てたつもりだったものの、現実はなかなかその通りにはいかない面も多いです。もともと、農園は両親と一緒にやっていくつもりでした。でも、年齢的にも無理はさせられないので友人や親戚の力も借りている状態です。現状ではまだ雇用は無理なので、事務仕事も含めて計画を修正する必要性も感じています。
今は露地栽培だけですが、いずれハウスを建てるつもりです。当初の夢だった農福連携も実現させたい。ハンディキャップを抱えた子どもたちに土に触れる機会を提供したいですし、
誰でも気軽に利用できるレストランをつくりたいという希望もあきらめていません。
ただ、今はいい作物を安定して育てて、きれいな状態で出荷することを心掛けています。5年間は足元を固める時期だと思っています。そのためにできることは、まじめに取り組むしかありません。大変なことがあっても、何よりも人とのつながりと「楽しく作業する」ことを大切にしていくつもりです。

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