東京農業アカデミー 八王子研修農場

卒業生インタビュー

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第1期生
(2020年度)

鈴木 茜さん

就農地:武蔵野市・小金井市

栽培作物

夏野菜(トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモ、ニンジン、トウモロコシ、エダマメなど 20品目)

① アカデミーに行って良かったと感じることはなんですか?

2年次に自分で作付け計画を立てて実際に野菜を栽培するのですが、農薬の選定の仕方や肥料をあげるタイミングの判断基準を持てるようになったことが役に立っています。今の時期だとこの病気、この虫に気をつけなければいけないな、とあらかじめ予測して対応できるようになりました。農家派遣研修では自分が就農する予定の地域に行かせてもらえるので、栽培技術の獲得はもちろん、その地域について事前に知る機会にもなります。見ず知らずの土地でゼロからやるよりも、1年間の研修を通してその地域の現状や雰囲気、市の取り組みなどを把握していた方が心構えもできますし、本格的に就農する前に地域とのつながりを持てたことは大きいと感じています。
経営面では帳簿づけのような事務作業や売り方、販売先の探し方なども参考になりました。

② ライフスタイルに何か変化はありましたか。

もともと農業法人に勤めていたので、そこまで大きな生活の変化はありませんが、独立したことで自分で負うべき責任が大きくなったとは感じています。ただ、組織の中で決まったルールに従って仕事をするよりも、いろいろなことに挑戦するなど、自分のやりたいことを自分の選択と判断でやっていけるのは、大変ですが一番魅力的なところだと思います。

③ 同期メンバーやアカデミーに居た事で出会えた農業関係者とその後も情報共有をしていますか?その後ご自身の人脈につながっていますか?

同期のメンバーとはLINEのグループでつながっているので、わからないことを聞き合うなど、定期的に情報共有をしています。この間も一緒に産地視察に行きました。みんなそれぞれ違う場所で違うことをやっているので、話を聞くのはおもしろいですね。アカデミーでお世話になった先生が時々畑を見に来てアドバイスをくださるのもありがたいです。

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④ アカデミー卒の新規就農者として営農を開始したところですが、現在の状況(良いこと・悪いことなど)を教えてください。

毎週日曜日の朝に1時間、畑で直売会をやっていますが、ありがたいことに周辺住民のみなさんが買いに来てくださっています。回数を重ねるごとに来客数は増えていて、70〜80代のご年配の方から、若いご夫婦や子供連れの方まで年齢層は幅広いです。毎週来てくださる固定のお客さんもいらっしゃってうれしいですね。そこでの出会いが販路の拡大にもつながっています。
目下の課題は、2カ所ある畑のうち小金井市の畑の土壌改良です。もともと樹木が植わっていた開墾畑で、養分などがまったくない無機質な状態だったのですが、初期投資として土壌改良にかける費用を十分には用意できず、作物の出来があまりよくありませんでした。今年の秋冬は土壌改良をメインにしっかり畑をつくっていきたいです。

⑤ 今後の農業経営の目標や抱負などを教えてください。

当面は農福連携に力を入れたいと考えています。今は小金井市のNPO法人に協力して、福祉作業所の利用者さんたちと一緒に地域農園の畑を管理する仕事を手伝いながら経験を積んでいます。また、武蔵野市の畑では社会福祉法人と連携して、週に1回1時間、自分の畑に作業所の利用者さんに来ていただき、箱詰めや袋詰めなどの作業を手伝ってもらう取り組みを始めたところです。

農福連携はお手洗いや水場といった設備の用意や、危険な場所がないかどうかといった安全確保の面でハードルが高く、きちんとした準備が必要です。私の畑はまだそこまでの状態に至っていないため、現状では袋詰め作業だけをお願いしていますが、ゆくゆくは畑での農作業もやってもらえるように、ハウスを借りるか、自前のハウスを建てたいと思っています。これから通年で人を雇用し、安定して商品を供給していくためにも、ハウスへの投資はひとつの大きな目標です。

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